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【巻頭言】 |
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ポスト「成果主義」
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ワトソンワイアット株式会社 |
2003年のワトソン ワイアット レビューの第一弾として、改めて「成果主義」を取り上げることとした。なぜなら、日本の伝統的組織の人材マネジメントをめぐるテーマとして、「成果主義」がいまだに王座に君臨していると考えられるからである。
なぜ、今もなお「成果主義」が経営課題として取り上げられ続けているのか。それは、かつての日本株式会社の基本システムであった「年功型終身雇用制度」の否定概念として、象徴的に用いられているからである。過去の日本企業の大成功モデルからの脱却には大変なエネルギーを要する。過去の慣性を破壊するため、成果主義への転換を経営陣が発信し続ける必要に迫られてきたからである。
このような「成果主義」の不幸な出自が、成果主義という言葉に何かネガティブな匂いが漂う原因となっている。もっと明快に言い切れば、成長が止まった日本企業が年功型終身雇用制度を維持できず、人件費を圧縮する手段として成果主義に飛びついた。このため社員から見れば、成果主義には現経営陣への反発がセットになって付いているからである。
したがって、今までの不幸な成果主義の次に来るもの(ポスト「成果主義」)は、純に前向きな新たな競争力再生の組織・人材モデルの構築にほかならない。つまり、日本企業が継続的に世界で勝ち残れる、人材の新しい見極め方、動かし方、認知の仕方、メッセージの伝え方など、組織が人的側面から圧倒的な強みを築き、これを磨き上げるメカニズムを作り出す戦いなのである。
要するに、今までの成果主義のように人材の等級・評価・報酬といった、伝統的な人事制度の枠組みの中に閉じ込めていては、その本来の目的は達成されない。まずは、「どんな人が、どのような感情で、どのような考えで、どんな行動をしているチームができたらすごいのか」について何の制約もおかず、自由に、ダイナミックに発想してみることが出発点である。
そんなゴールイメージが湧き上がってきたら、「今」を冷徹に見つめてみる。なぜ皆、かつての輝きを失っているのか。なぜリスクを取ろうとする人間が一人もいないのか。いろいろな変革の施策が出ては消え、何一つ実行されずに終わるのはなぜなのか。
根本的なところに横たわる、本質的な課題を抉り出さねばならない。これを掴んだら、あとは変革を仕掛けるしかない。
変革を成し遂げるには、次の四つの条件を満たす必要がある。
@「変革せねばならぬ」という危機感が共有されているか。
A「なるほど感」のある変革ビジョンが打ち立てられているか。
B変革にコミットし牽引するリーダーシップグループが存在するか。
C実行可能でかつ一貫性のある、一連のアクションプランがあるか。
成果主義はこの変革の4条件にリンクさせて初めて、価値が生み出される。成果主義の導入はすなわち@に必要な意識改革の出発点である。成果の定義はAの変革ビジョンの実現への貢献であり、評価・登用すべきはBのリーダーである。組織全体にわたって、Cのアクションを確実な実行へと「構造化」する役割が成果主義型人事制度となる。
この変革を仕掛け、実現していくために、今スタート地点に立った「成果主義」をいかに次のステージへと飛躍させればよいのか。日々この課題に取り組んできた、東京オフィスのメンバーの経験をこのレビューというテーブルの上に広げてみたいと思う。この中に読者の悩みの一つにでも答えているものがあるならば、編集長としては望外の喜びである。
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